研究者詳細

顔写真

マツモト ケイタ
松本 圭太
Keita Matsumoto
所属
大学院文学研究科 日本学専攻 日本歴史学講座(考古学専攻分野)
職名
准教授
学位
  • 博士(比較社会文化)(九州大学)

  • 修士(比較社会文化)(九州大学)

経歴 5

  • 2023年1月 ~ 2024年3月
    九州大学大学院人文科学研究院 助教

  • 2019年8月 ~ 2022年12月
    九州大学大学院人文科学研究院 学術研究員

  • 2016年4月 ~ 2017年3月
    九州大学 大学院人文科学研究院 助教

  • 2013年4月 ~ 2016年3月
    九州大学 総合研究博物館 日本学術振興会特別研究員PD

  • 2010年3月 ~ 2013年3月
    九州大学 大学院比較社会文化学府 日本学術振興会特別研究員DC1

学歴 2

  • 九州大学 大学院比較社会文化学府 比較基層文明

    2006年4月 ~ 2013年8月

  • 九州大学 文学部 人文学科

    2002年4月 ~ 2006年3月

所属学協会 2

  • 日本中国考古学会

  • 日本考古学協会

研究キーワード 9

  • オルドス

  • 青銅器

  • カラスク

  • スキト・シベリア

  • 考古学

  • 初期鉄器時代

  • 青銅器時代

  • 初期遊牧民文化

  • ユーラシア草原地帯

研究分野 1

  • 人文・社会 / 考古学 /

受賞 3

  1. アジア鋳造技術史学会研究奨励賞(実験・調査研究部門)

    2024年9月 アジア鋳造技術史学会

  2. 第10回 日本考古学協会奨励賞

    2020年6月 日本考古学協会 『ユーラシア草原地帯の青銅器時代』

  3. 第6回 松丸賞(日本中国考古学会奨励賞)

    2016年12月 日本中国考古学会 「ユーラシア草原地帯における青銅器様式とその境界」『中国考古学』第15号

論文 36

  1. 和泉市久保惣記念美術館のコレクションと中国北方系青銅器と金属成分分析

    松本圭太, 飯塚義之, 鈴木舞

    和泉市久保惣記念美術館紀要 23 5-34 2025年3月

  2. ユーラシア東部における中国青銅器の開始:セイマ・トルビノ青銅器群に関する最近の議論を踏まえて 査読有り

    松本圭太

    中国考古学 24 47-64 2025年3月

  3. Техники литья скифо-сибирских бронзовых изделий в районах Внутренней Монголии и Великой Китайской стены

    Мацумото, К

    КУЛЬТУРЫ И ЦИВИЛИЗАЦИИ ЦЕНТРАЛЬНОЙ АЗИИ ОТ НЕОЛИТА ДО СРЕДНЕВЕКОВЬЯ 2024年11月

  4. 内蒙古・長城地帯におけるスキト・シベリア青銅装飾品の二系統 査読有り

    松本圭太

    FUSUS 16 1-14 2024年4月

  5. アルタイ山脈東麓における青銅器文化

    松本圭太, Amglantugs Tsend, Ishtseren Lochin

    東アジア考古学の新たなる地平 宮本一夫先生退職記念論文集 883-903 2024年3月

  6. Происхождение акинаков на востоке Евразийской степи 査読有り

    Мацумото, К

    УФИМСКИЙ АРХЕОЛОГИЧЕСКИЙ ВЕСТНИК 23 (1) 6-18 2023年6月

  7. 秦式剣とアキナケス 査読有り

    松本圭太

    中国考古学 22 53-82 2023年3月

  8. Дундговь, Өмнөговь аймгийн музейд хадгалагдаж буй хүрэл хутганы судалгаа.

    Мацумото, К, Амгалантөгс, Ц, Ишцэрэн, Л

    АРХЕОЛОГИЙН СУДЛАЛ 41 20-32 2022年12月

  9. 遊牧民の動物文様からなにがわかる? -スキト・シベリア動物文の歴史的意義ー

    松本圭太

    家畜の考古学 古代アジアの東西交流 107-120 2022年10月

  10. 前1千年紀の長城地帯における青銅装飾品の製作技法 査読有り

    松本圭太

    アジア鋳造技術史学会 研究発表概要集 (15) 28-30 2022年7月

  11. 内蒙古・長城地帯における青銅刀子の型式と金属化学組成:木村武山コレクションの調査を基礎に 査読有り

    松本圭太, 飯塚義之, 鈴木舞

    中国考古学 21 55-71 2021年12月

  12. 木村武山コレクションにおける中国北方系青銅器 査読有り

    松本圭太, 飯塚義之, 鈴木舞

    木村武山と中国美術コレクション 49-131 2021年5月

  13. The Bronze Age in the Eurasian Steppes. 査読有り

    Matsumoto, Keita

    Japanese Journal of Archaeology 8 (2) 287-32 2021年3月

  14. モンゴリアにおける青銅刀子の形態変遷―モンゴル国における青銅器調査に基づく分析―

    松本圭太, Amgalantugs Tsen, Ishtseren Lochin

    岩永省三先生退職記念論文集 持続する志 637-658 2021年3月

  15. 初期遊牧民文化における青銅刀子の展開 査読有り

    松本圭太

    中国考古学 20 109-150 2020年12月

  16. 前1千年紀中葉における初期遊牧民文化の変容 : ユーラシア草原地帯東部の小型帯金具を素材として 査読有り

    松本 圭太

    考古学雑誌 = Journal of the Archaeological Society of Nippon 103 (1) 36-83 2020年12月

    出版者・発行元: 日本考古学会

    ISSN:0003-8075

  17. 大興安嶺からアルタイ山脈 (ユーラシアの大草原を掘る : 草原考古学への道標) -- (新石器時代から初期鉄器時代へ)

    中村 大介, 松本 圭太

    アジア遊学 (238) 79-90 2019年9月

    出版者・発行元: 勉誠出版

  18. 草原地帯における青銅武器の発達 (ユーラシアの大草原を掘る : 草原考古学への道標) -- (実用と装飾)

    松本 圭太

    アジア遊学 (238) 171-180 2019年9月

    出版者・発行元: 勉誠出版

  19. 考古アカデミックレポート スキタイ系文化における交流の変容

    松本 圭太

    月刊考古学ジャーナル (729) 31-33 2019年8月

    出版者・発行元: ニュー・サイエンス社

    ISSN:0454-1634

  20. モンゴル国ウムヌゴビ県、ドンドゴビ県博物館所蔵青銅利器とその位置づけ 査読有り

    松本圭太, Amgalantugs Tsen, Ishtseren Lochin

    横浜ユーラシア文化館紀要 7 23-36 2019年3月

  21. Excavations at Emeelt Tolgoi Site.

    Kazuo Miyamoto, Yoshinori Tajiri, Keita Matsumoto, Tsend Amgalantugus, Natsag Batbold, Dashzeveg Bazargur, Lhagvadorj Delgermaa

    Excavations at Emeelt Tolgoi Site: The third Report on Joint Mongolian-Japanese Excavations in Outer Mongolia 3-45 2018年12月

  22. Карасукские боевые топоры и клевцы «гэ» 査読有り

    Мацумото, Кэйтa

    Научное обозрение Саяно-Алтая 17 3-11 2017年12月

  23. セイマ・トルビノ青銅器群分布の背景 : ロストフカ墓地の分析から

    松本 圭太

    史淵 154 1-25 2017年3月

    出版者・発行元: 九州大学大学院人文科学研究院

    DOI: 10.15017/1804164  

    ISSN:0386-9326

  24. 「初期遊牧民文化」動物紋出現の意義 査読有り

    松本 圭太

    中国考古学 = Chinese archaeology (16) 151-174 2016年11月

    出版者・発行元: 日本中国考古学会

    ISSN:1349-0249

  25. ハカス・ミヌシンスク盆地におけるルガフスク期の開始とモンゴリア

    松本圭太

    田中良之先生追悼論文集-考古学は科学か 1037-1056 2016年5月

  26. 北方ユーラシア(ロシア東部・モンゴル) (特集 東アジアの青銅器と弥生文化) -- (起源・年代・系譜)

    松本 圭太

    季刊考古学 (135) 30-33,6 2016年5月

    出版者・発行元: 雄山閣

    ISSN:0288-5956

  27. Карасукские кинжалы - их происхождение и распространение. 査読有り

    Matsumoto Keita

    Научное обозрение Саяно-Алтая 9 19-34 2015年12月

  28. ユーラシア草原地帯における青銅器様式とその境界 査読有り

    松本 圭太

    中国考古学 = Chinese archaeology (15) 101-126 2015年12月

    出版者・発行元: 日本中国考古学会

    ISSN:1349-0249

  29. 前2千年紀後半のユーラシア草原地帯東部における青銅刀子金属成分に関する予察

    松本圭太

    ユーラシアの考古学: 高濱秀先生退職記念論文集 199-209 2014年

  30. Южная Сибирь и Монголия в карасукское время.

    Matsumoto Keita

    Современные решения актуальных проблем евразийской археологии, 149-152 2013年9月

  31. モンゴリアにおける青銅器様式の展開 査読有り

    松本 圭太

    中国考古学 = Chinese archaeology (12) 111-134 2012年12月

    出版者・発行元: 日本中国考古学会

    ISSN:1349-0249

  32. 中国初期青銅器とセイマ・トルビノ青銅器群 : 有銎矛の分析を中心に 査読有り

    松本 圭太

    中国考古学 (11) 133-153 2011年12月

    出版者・発行元: 日本中国考古学会

    ISSN:1349-0249

  33. The birth and development of the Karasuk daggers.

    Matsumoto Keita

    鄂爾多斯青銅器国際学術検討会論文集 339-362 2010年

  34. 新疆、長城地帯の初期青銅器--中央ユーラシア後期青銅器時代との対比から 査読有り

    松本 圭太

    古文化談叢 62 185-208 2009年9月

    出版者・発行元: 九州古文化研究会

    ISSN:1883-0676

  35. カラスク式短剣の成立と展開 査読有り

    松本 圭太

    古代文化 61 (1) 37-55 2009年6月

    出版者・発行元: 古代学協会

    ISSN:0045-9232

  36. 長城地帯の初期青銅器集成 (長城地帯青銅器文化の研究)

    宮本 一夫, 佐野 和美, 松本 圭太

    シルクロ-ド学研究 29 79-140 2008年

    出版者・発行元: シルクロ-ド学研究センタ-

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MISC 14

  1. モンゴル国西南部における青銅器文化

    松本圭太, Amgalantugs,T., Ishtseren, L.

    第24回北アジア調査研究報告会 48-51 2025年2月

  2. ユーラシア東部の青銅器・初期鉄器時代における意匠の展開

    松本圭太

    日本中国考古学会2024年度大会発表要旨集 39-42 2024年12月

  3. 原の辻遺跡出土青銅器

    松本圭太

    壱岐原の辻遺跡-東亞考古学会壱岐原の辻遺跡調査報告書Ⅱ- 150-152 2023年7月

  4. 原の辻遺跡出土骨角器

    壱岐原の辻遺跡-東亞考古学会壱岐原の辻遺跡調査報告書Ⅱ- 147-149 2023年7月

  5. 東亞考古学会による原の辻遺跡調査の経緯

    宮本一夫, 松本圭太

    壱岐原の辻遺跡-東亞考古学会壱岐原の辻遺跡調査報告書Ⅱ- 8-29 2023年7月

  6. 原の辻遺跡の立地と環境

    松本圭太

    壱岐原の辻遺跡-東亞考古学会壱岐原の辻遺跡調査報告書Ⅱ- 1-7 2023年7月

  7. 漢魏洛陽城宮城調査における新発見とその構造

    銭 国祥, 松本 圭太

    岩手大学「平泉文化研究センター年報」 = Hiraizumi studies 5 1-11,13-22 2017年

    出版者・発行元: 岩手大学平泉文化研究センター

    DOI: 10.15113/00014417  

    ISSN: 2187-7904

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    訳: 松本圭太本文は中文併記

  8. 福建における早期建築技法の形成と発展

    楼 建龍, 松本 圭太

    岩手大学「平泉文化研究センター年報」 = Hiraizumi studies 5 23-45,47-65 2017年

    出版者・発行元: 岩手大学平泉文化研究センター

    DOI: 10.15113/00014418  

    ISSN: 2187-7904

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    要約 福建の古代建築は鮮明な地方的特色を持っている。しかしながら、建築技法の形成において要となる段階である漢、唐以前の時期については、実際の例を根拠とした研究が少ない状況にある。本論は、先史から漢唐に至る福建の考古発掘資料に、現在僅かに残された早期の歴史的建築物を併せて検討し、早期建築における基礎、木組構造、そして柱礎石形態の変遷などの多様な技法について、可能な限り本来の姿に近づいた認識と推論を示すものである。訳: 松本圭太本文は中文併記

  9. 日本における中国考古学関係文献目録(2015年)

    齊藤 希, 富 宝財, 戴 玥, 曹 絲縈, 譚 永超, 薄 穎悦, 市元 塁, 松本 圭太

    中国考古学 = Chinese archaeology (16) 327-333 2016年11月

    出版者・発行元: 日本中国考古学会

    ISSN: 1349-0249

  10. 南宋臨安城の制度と特徴 (特集 UURRプロジェクト)

    唐 俊傑, 松本 圭太

    岩手大学「平泉文化研究センター年報」 = Hiraizumi studies 4 79-89 2016年

    出版者・発行元: 岩手大学平泉文化研究センター

    DOI: 10.15113/00014411  

    ISSN: 2187-7904

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    訳: 松本圭太本文は中文併記

  11. 世界遺産西湖 : 景観保護の課題と遺産影響評価 (特集 UURRプロジェクト)

    黄 斌, 松本 圭太

    岩手大学「平泉文化研究センター年報」 = Hiraizumi studies 4 101-133 2016年

    出版者・発行元: 岩手大学平泉文化研究センター

    DOI: 10.15113/00014413  

    ISSN: 2187-7904

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    【摘要】杭州西湖は浙江省における初めての世界文化遺産である。国外にまで聞こえた著名な風景湖泊である西湖は、城市中心に位置し、千年にわたる歴史変遷と文化的蓄積を経て、著名な文化景観となった。しかしながら、現代化や都市化の進展に伴い、保護と発展という矛盾が高まっている。本論は、西湖景観の特質から入って、その直面する保護課題を分析し、遺産影響の評価要素と関連する対策を提示する。訳: 松本圭太本文は中文併記

  12. 日本における中国考古学関係文献目録(2012年)

    徳留 大輔, 松本 圭太, 齋藤 希

    中国考古学 = Chinese archaeology (13) 181-191 2013年12月

    出版者・発行元: 日本中国考古学会

    ISSN: 1349-0249

  13. 日本における中国考古学関係文献目録(2010年)

    丹羽 崇史, 松本 圭太, 斉藤 希

    中国考古学 (11) 263-282 2011年12月

    出版者・発行元: 日本中国考古学会

    ISSN: 1349-0249

  14. 二里頭文化銅器の出現と中国初期青銅器--中原と周辺における青銅器の比較から (長城地帯青銅器文化の研究)

    陳 国梁, 松本 圭太

    シルクロ-ド学研究 29 31-78 2008年

    出版者・発行元: シルクロ-ド学研究センタ-

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書籍等出版物 1

  1. ユーラシア草原地帯の青銅器時代

    松本, 圭太

    九州大学出版会 2018年2月

    ISBN: 9784798502205

共同研究・競争的資金等の研究課題 7

  1. 前1千年紀のユーラシア東部における青銅器生産の復元に関する研究

    2024年4月 ~ 2027年3月

  2. 初期遊牧民文化の青銅器生産復元に関する融合的研究

    提供機関:Kyushu university

    制度名:Interdisciplinary Program of the Humanities and Social Sciences 0311

    研究機関:Kyushu university

    2022年4月 ~ 2024年3月

  3. 4カ国アルタイ地域を対象とした初期鉄器時代の鉄器生産に関する実証的研究

    村上 恭通, 臼杵 勲, 丹羽 崇史, 槙林 啓介, 松本 圭太, 荒 友里子

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

    研究機関:Ehime University

    2017年4月1日 ~ 2022年3月31日

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    2年目となる2018年度は昨年に実施した踏査の成果またはそれ以前に発見した遺跡の調査成果に基づいて、アルタイ共和国、ハカス共和国、モンゴルにおいて発掘調査を実施した。アルタイ共和国では、前年度の踏査で確認したバリクトゥユル遺跡を発掘調査した。計5基の製鉄炉を検出し、その年代が放射性炭素年代測定の結果、2~4世紀であることがわかった。アルタイ共和国で製鉄炉の構造が明確に把握される初めての調査例となった。ハカス共和国ではトルチェヤ遺跡において小規模な発掘調査を実施し、製鉄炉を3基発見した。これらの炉のうち1基は紀元前1世紀のテシ文化期に遡ることが明らかとなった。またモンゴルではバヤンウルギー県のガンツ・モッド遺跡とウブス県のグング遺跡を発掘調査した。前者では設定した1つの調査区において大小2基の製鉄炉を検出し、小型製鉄炉が紀元前2世紀、大型製鉄炉が3世紀に属することがわかった。後者では2つの調査区を設定し、3基の大型製鉄炉を検出した。グング遺跡ではこれら以外にも著しく浸食を受けた地表面において12基の製鉄炉を確認できたが、調査終盤でクロップマークが製鉄炉の位置を示すことを突き止めた。そのクロップマークの数からすると30基近い製鉄炉が存在する可能性がある。地表で確認した平面形が楕円形を呈する小型製鉄炉が紀元前2世紀、発掘で検出した大型円形製鉄炉が3世紀代に属することが判明した。2018年度に発見した製鉄炉はすべて炉体となる土坑と作業用土坑が地下のトンネルで連結されるという構造をもっている。 2017年度、2018年度の発掘調査成果はタタールスタン共和国、韓国、カザフスタン、ロシアで開催された国際学術会議において報告した。なおモンゴルにおける調査プロジェクトについては、モンゴル考古学会より国際共同調査に対して送られる優秀賞を授与された。

  4. 匈奴形成期における交流に関する研究

    松本 圭太

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

    研究機関:Kyushu University

    2017年4月1日 ~ 2021年3月31日

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    本年度は以下の項目について検討を進めた。 1)以前の年度において進めた、同時期の青銅利器に関する検討継続およびその報告。以前に鋳造技法に基づいて抽出した、前1千年紀ユーラシア草原地帯東部の青銅刀子における分類単位と、金属成分との関連を分析・考察した。銅以外の主要元素である、錫、鉛、ヒ素の各成分について、型式ごとに割合を検討した結果、分類単位と金属成分がある程度相関することが明らかとなった。それによると、青銅刀子の型式・成分においては、前7世紀頃、前5世紀頃の2回に大きく変化がみられる。青銅刀子は草原地帯東部全体に分布するものであり、本変化が極めて広範囲に起きていたことが知られ、前者の変化は長城地帯や中国中原、後者は南シベリアに関連する可能性が指摘できる。これらの結果は、本年12月の日本中国考古学会で報告している。 2)飾金具におけるデザインの検討。上記の鋳造技法・型式変化と同時に、刀子のデザインも大きく変化することが判明した。前6-5世紀頃に、新たな技法を伴ったデザインが出現するのである。この新たなデザインは、刀子のみならず同時期の飾金具全般に看取されるのであるが、青銅刀子・飾金具における製作技法、特に鋳型を形成する際の笵模の差に起因すると考えている。本デザインの最古の例を辿っていくと、その起源は前7世紀後半頃の東南ウラル~南シベリア付近にあると予想された。これらの結果については、九州史学会、北アジア調査研究報告会で発表を行った。

  5. ユーラシア東部草原地帯における騎馬遊牧社会形成過程の総合的研究

    宮本 一夫, 松本 圭太, 岡崎 健治, 田尻 義了, 米元 史織, 鹿島 薫, 米田 稔, アムガラントゥグス ツェンド, デルゲルマ ラガヴァドルジ

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

    研究機関:Kyushu University

    2015年4月1日 ~ 2019年3月31日

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    本研究では、これまで行ってきた発掘調査の成果を利用し、紀元前2千年紀後半から1千年紀初頭の板石墓文化の墓葬変遷について明らかにすることができた。さらに、ヒャル・ヒャラーチ遺跡とエメルト・トルゴイ遺跡の発掘調査を行うことにより、同時期のモンゴル高原西部から中部にかけて展開するヘレクスール文化墓葬の展開を明らかにした。一方、この時期の人の移動について、発掘した古人骨に対する形質人類学的分析やストロンチウム同位体分析により実証した。さらに、紀元前1千年紀のタガール文化期の典型的な板石墓文化における墓葬変遷を明らかにした。

  6. 騎馬遊牧開始前後におけるユーラシア北方草原地帯の文化的特質に関する研究

    松本 圭太

    2013年4月1日 ~ 2016年3月31日

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    本年度は、前半に、在外研究の機会を得たことから、渡航先であるハカス・ミヌシンスク盆地における資料見学および、当地における研究状況の把握を優先的に取り組むこととした(Ⅰ)。年度後半は、在外研究で得られた成果を纏めるとともに、ユーラシア草原地帯の時期区分における問題および、スキタイ系動物紋出現の意義について検討した(Ⅱ)。 Ⅰでは、ハカス・ミヌシンスク盆地 におけるカラスク文化の研究状況を、特に近年の編年研究を中心に整理し、そこで重要な問題として挙げられるルガフスク期の開始問題を考えた。ハカス・ミヌシンスク盆地における研究成果と、盆地外部の資料を含めて分析した研究結果を対比した結果、ハカス・ミヌシンスク盆地における土器、墓葬の型式変化および層位に基づいた編年と、報告者が研究を進めてきた青銅器様式の変化状況が、興味深く対比できることが明らかになった。報告者は、ルガフスク期の出現を、本盆地外部からの集団移入とする従来の考えに変わって、本期を盆地内部での独自性の創出、発展期と評価できる可能性を提示した。 Ⅱは、前1千年紀初頭に出現する「初期遊牧民文化」でつとに指摘されてきた、草原地帯全体でみられる類似性の評価についての検討である。報告者は、草原地帯東部における「初期遊牧民文化」に見られる類似性を、当該文化以前の動態を踏まえ、相対的に評価しようと試みた。まず、青銅短剣という同一の基準を用い、当該文化成立前後における型式分布を確認したところ、「初期遊牧民文化」成立期には、当該地域各地における地域性が以前より増していることが確認された。一方で、動物紋は短剣の諸型式よりも広汎に分布するものであるが、以前の動物紋と比較した結果、動物紋そのものにおける規範の変化が、分布の背景として存在する可能性を指摘した。

  7. 中央ユーラシアにおける文化的多様性の形成に関する考古学的研究-青銅器時代を中心に

    松本 圭太

    2010年 ~ 2012年

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    本年度の研究実施計画において、報告者は以下の目的、解明事項を挙げた。 本研究の目的は、中央ユーラシア全体の青銅器時代において、その文化動態における内的側面に注目し、当該領域の文化形成過程と変容に関する新たなモデルを提示することである。さらに、学史上指摘が非常に少ない、ユーラシア北方草原地帯東部における独自の文化形成に着目して研究を進める。具体的には以下2つの解明事項が特に重要である。 (1)前2千年紀前半におけるセイマートルビノ青銅器群の伝播過程およびその背景の解明 (2)前2千年紀後半のアルタイ以東における青銅器文化の成立、変容過程とその背景の解明 (1)、(2)の課題の主要な部分は前年度までに見通しを得られており、本年度は両課題で得られた分析結果を基礎に、ユーラシア北方草原地帯東部における青銅器時代の通時的な動態把握を試みた。 前2千年紀末のモンゴル附近において、これ以前の、セイマ・トルビノ青銅器群、EAMP(アンドロノヴォ文化の青銅器文化)と区分される独自の青銅器文化が突如起こってくる様相を、それぞれの時期の分析結果に矛盾なく、整合的に説明できるかどうかが特に重要な課題であった。報告者はユーラシア草原地帯東部における、山脈を挟んだ地理的差異、それに基づく社会的状況の差異に注目し、モデルを構築した。また、前2千年紀末にモンゴリアで成立した青銅器文化は、ミヌシンスクで在来の青銅器文化と接触することにより、新たな青銅器文化を生み出した。この文化はミヌシンスクからモンゴリアへ拡散するだけでなく、ユーラシア草原地帯西部にも拡散したと言われる。この新たな青銅器文化の成立や拡散の要因についても、上記の地理および社会状況の差異が想定される。ユーラシア草原地帯西部への拡散状況については、本研究の計画の範囲を超えたものであるが、初期鉄器時代(スキタイ期)の物質文化拡散を考えていく上で、非常に重要であるという見通しを得た。

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