研究者詳細

顔写真

ハナムラ マサキ
花村 昌樹
Masaki Hanamura
所属
大学院理学研究科 数学専攻 代数学講座
職名
教授
学位
  • Ph.D(数学)ブラウン大学

委員歴 4

  • 京大数理解析研究所 客員教授

    2006年4月 ~ 2006年9月

  • 京大数理解析研究所 客員教授

    2006年4月 ~ 2006年9月

  • 京都大数理解析研究所 集中講義

    2006年7月 ~

  • 京都大数理解析研究所 集中講義

    2006年7月 ~

所属学協会 1

  • 日本数学会

研究キーワード 4

  • 高階対数関数

  • コホモロジー理論

  • モティーフ

  • 代数的サイクル

研究分野 1

  • 自然科学一般 / 代数学 / 代数幾何学

受賞 1

  1. 日本数学会代数学賞

    2006年3月 日本数学会 モティーフ理論の研究

論文 7

  1. Quasi DG categories and mixed motivic sheaves 査読有り

    Masaki Hanamura

    JOURNAL OF PURE AND APPLIED ALGEBRA 219 (7) 2816-2900 2015年7月

    DOI: 10.1016/j.jpaa.2014.09.030  

    ISSN:0022-4049

    eISSN:1873-1376

  2. Quasi DG categories and mixed motivic sheaves 査読有り

    Masaki Hanamura

    Journal of Pure and Applied Algebra 2015年6月

    DOI: 10.1016/j.jpaa.2014.09.030  

  3. 混合モティーフの理論と応用 査読有り

    花村昌樹

    数学 62 (2) 182-193 2010年

    出版者・発行元: 日本数学会

    ISSN:0039-470X

  4. Motivic sheaves and intersection cohomology 査読有り

    M. Hanamura

    Proceedings of Franco-Japanese symposium in Singularity Theory. 2006年7月

  5. Absolute Chow-Kunneth projectors for modular varieties 査読有り

    BB Gordon, M Hanamura, JP Murre

    JOURNAL FUR DIE REINE UND ANGEWANDTE MATHEMATIK 580 139-155 2005年

    ISSN:0075-4102

  6. Mixed motives and algebraic cycles II 査読有り

    M Hanamura

    INVENTIONES MATHEMATICAE 158 (1) 105-179 2004年

    DOI: 10.1007/s00222-004-0369-0  

    ISSN:0020-9910

  7. Homological and cohomological motives of algebraic varieties 査読有り

    Masaki Hanamura

    Inventiones Mathematicae 142 (2) 319-349 2000年

    出版者・発行元: Springer New York

    DOI: 10.1007/s002220000091  

    ISSN:0020-9910

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MISC 2

  1. モティーフ理論

    花村 昌樹

    代数学の魅力 2009年7月

    出版者・発行元: サイエンス社

  2. Vladimir Voevodsky 氏の業績

    花村昌樹

    数学 56 (1) 99-102 2004年6月

    出版者・発行元: 岩波書店

共同研究・競争的資金等の研究課題 21

  1. 高階対数関数 競争的資金

    2000年4月 ~ 継続中

  2. 代数幾何学 競争的資金

    2000年1月 ~ 継続中

  3. モティーフ理論 競争的資金

    制度名:The Other Research Programs

    2000年1月 ~ 継続中

  4. 代数多様体のHodge複体の明示的な構成とその応用

    花村 昌樹

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

    研究機関:Tohoku University

    2019年4月1日 ~ 2023年3月31日

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    Borel-Mooreホモロジーについての研究.(1) 局所コンパクト空間の無限chainの特異ホモロジーに対し「閉集合にサポートをもつcap積」の定義を与えた. (2) Borel-Mooreホモロジーと無限chainの特異ホモロジーの間のchainレベルでの同値を具体的に与えた.(3) この同値を通じて,それぞれのホモロジーにおけるサポートつきcap積が一致することを証明した.これは事実として専門家に使われてきたが,証明はここで初めて与えられた.(4) 局所コンパクト空間と閉集合の対(X, Y)で,「余次元 d の向きづけ」を持つものに対し,そのBorel-Mooreホモロジーを定義し,上記の(1)-(3)の一般化を行った. <BR> 2. 明示的Hodge複体の構成.複素数体上のスムースな代数多様体に対し,Deligneは混合Hodge複体の概念を与え,さらにBeilinsonはそれをチェインレベルで考察しHodge複体の概念を与えた.それとは別の次のような明示的な構成を与えた.(1) コンパクトと限らないスムースな代数多様体Xと正規交叉因子Hに対し, Hodge複体E(X, H)であって,次の二つの性質を満たすものを構成した.(a) E(X, H)の「有理成分」は,X上の位相的なチェインのなす複体であり,(b) E(X, H)の「複素成分」は,Hに対数的極を持つX上の微分形式の複体を用いて記述される.特に,Hodge複体E(X, H)には(原理的に計算のできない)Godement分解やカレントの空間が現れないという意味で明示的である.(2) この構成のため,対数的微分形式に対するCauchy-Stokes公式を定式化し証明した. (3)上記の明示的Hodge複体E(X, H)と,DeligneおよびBeilinsonによる抽象的Hodge複体の間の比較同型を構成した.

  5. 混合モティーフに関連したDG三角圏の研究

    花村 昌樹

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

    研究機関:Tohoku University

    2016年4月1日 ~ 2020年3月31日

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    複素アフィン空間の半代数的集合Aに対し,座標超平面に対数的極をもつ微分形式のA上の積分を考える.Aと座標超平面との交わりに関するある条件のもとでこの積分が収束することを示した.Aがm+1次元,微分形式がm次の閉形式のとき,その各座標平面Hにおける剰余形式のAとHの交わりの上の積分が,もとの微分形式のAの位相的境界のうえの積分に等しいことを示した(一般的Cauchy公式と呼ばれる).これらを用いて混合Tateモティーフに対しそのHodge実現を構成することができる.これはBloch-Krizにより(条件付きで)構成されていたものを精密に一般化したものである.(木村健一郎氏,寺杣友秀氏との共同.)

  6. モチーフ理論の種々のコホモロジーと周期積分への応用

    寺杣 友秀, 松本 圭司, 志甫 淳, ガイサ トーマス, 齋藤 秀司, 木村 健一郎, 花村 昌樹

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

    2015年4月1日 ~ 2020年3月31日

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    超幾何関数に代表される特殊関数論を幾何学的な視点から見直し、それによってこれまで具体的に与えられていなかった対象の表示をあたえ理解を深める。とくに代数多様体の周期に関係したものを扱い、超幾何関数だけではなく、多重対数関数、多重ゼータ値、楕円曲線と関連する特殊関数の関係を明らかにする。その手法としてホモトピー修正の理論や曲線の対称積などがありこれらを用いて代数的サイクルを構成することが考えられる。また、多重ゼータ値の重さフィルトレーションに関するより詳しい解析を行った。また混合テイト・モチーフに関しては基礎理論の整備がまだまだ不完全なところもあるので、厳密な構成法などを確立する。

  7. 混合モティーフ層と混合Tateモティーフの理論

    花村 昌樹, 寺杣 友秀, 木村 健一郎

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

    研究機関:Tohoku University

    2012年4月1日 ~ 2016年3月31日

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    複素n次元空間の半代数的集合の上で,極をもつ微分形式の積分の理論を厳密に定式化し, 収束のための幾何的な条件を与えた.また複素解析におけるCauchyの積分公式を高次元の場合に拡張した公式を与え,それを証明した.DG圏の一般化としてquasi DG圏の概念が代表者により提出されていたが,その基礎理論を構築し,とくにquasi DG圏から三角圏を構成する方法を与えた.それを用いて,任意の代数多様体上の混合モティーフ層の三角圏を構成した.混合Tateモティーフの三角圏と代数的サイクルのbar複体上のcomoduleのアーベル圏との関係を研究した.

  8. 周期積分とモチーフの幾何と数論

    寺杣 友秀, 花村 昌樹, 松本 圭司, 志甫 淳, 木村 健一郎

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:The University of Tokyo

    2011年4月1日 ~ 2015年3月31日

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    混合TateモチーフのHodge実現関手の構成のために、semi-algebraic setを使ってある鎖複体を構成し一般化されたコーシー公式を証明した。 また混合楕円モチーフについて、深さフィルトレーションをあたえるモチーフのフィルトレーションを定義した。高次チャウ群からコホモロジーへのサイクル写像の像の次元が大きい曲面の構成をした。 2変数超幾何方程式系が可約になる特別なパラメーターに関する Schwarz 写像を研究した。このタイプの周期逆写像をテータ関数を用いて記述した。種数2の代数曲線族についてのAbel-Jacobi 写像の像特徴づけた。

  9. 混合モティーフ層と圏論およびサイクル複体の研究

    花村 昌樹, 木村 俊一, 石田 正典, 雪江 明彦

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:Tohoku University

    2009年 ~ 2011年

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    QuasiDG圏とはDG圏を拡張した概念で,代表者によって与えられたもので,混合モティーフ層の理論に現れる.この理論の基礎理論を構築した.そのうち主なものは,quasiDG圏の基礎公理の定式化,quasiDG圏に値をもつC-diagramの定式化,quasiDG圏の関数複体の加法性,C-diagramのなすquasiDG圏の構成,そのホモトピー圏が三角圏をなすことの証明である.とくに,その概念のひとつをなす複体(n個の対象に依存する)が各対象について加法的であることを定式化し,その性質が対応するC-diagramのquasiDG圏に伝播することを示した. また,正規代数曲面に対し,そのChowコホモロジーを特異点解消を用いて記述する結果を示し,とくにChowコホモロジーとChowコホモロジーが一致するための条件を与えた. 準射影代数多様体をブローアップしたとき,そのモティーフおよび高次Chow群がどのように記述できるを示す,blow-upformulaを示した.

  10. トーリック多様体の理論展開と応用研究

    石田 正典, 尾形 庄悦, 雪江 明彦, 花村 昌樹, 原 伸生, 梶原 健, 足利 正, 土橋 宏康, 高橋 知邦, 佐藤 拓

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:Tohoku University

    2007年 ~ 2010年

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    トーリック多様体の理論の展開と応用について研究を行い, 扇や半群環の概念の拡張とそれに対応するトーリック多様体やその拡張, 実空間の有界とは限らない凸多面体による分割から得られる局所有限型のスキームについて新しい研究成果を得た.凸体のミンコフスキー和とそれに関連したアンプル直線束のベリーアンプル性と正規性, フロベニウス射が経由する正規代数多様体, 高次元循環商特異点のトーリック解消などについても研究成果を得た.

  11. 混合モティーフ層の理論の発展

    花村 昌樹, 石田 正典, 寺杣 友秀, 木村 俊一, 寺杣 友秀, 木村 俊一

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:Tohoku University

    2006年 ~ 2008年

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    高次Chow群の基礎理論, 代数多様体のモティヴィックコホモロジーの具体的計算,混合Tateモティーフの圏の研究, そして混合モティーフの圏の構成に関連した準DG圏の理論の研究をおこなった. 高次Chow群はBlochによるが,その定義を別のものに置きかえても基礎理論が証明できることを示した. 曲面のモティヴィックコホモロジーの計算をおこなった. 混合Tateモティーフの三角圏の構成と, 混合Tateモティーフのアーベル圏の関係を明らかにした. DG圏の概念の一般化である準DG圏の概念を導入し, 準DG圏から三角圏を構成する手続きを与えた.

  12. 多重ポリログ関数の値の関係式の代数幾何的研究

    花村 昌樹, 寺杣 友秀, 金子 昌信

    2005年 ~ 2006年

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    モティーフ理論(混合モティーフまたは純モティーフ層,混合モティーフ層)についての研究を進めた. 1.高次Chow群にっいての最も重要な定理はlocalization theoremである.これを トーリック多様体のうえのサイクルを使って定式化,証明をすることを考察した. トーリック多様体には余次元1の不変因子があり、これを面とみる。面とプロパー・に交わるサイクルの生成する自由アーベル群は、面との交叉を境界作用素としてもつ複体をなす(トーリックサイクル複体とよぶ)。 これに対し代数的単体を用いて同様に構成された複体をサイクル複体とよぶ。代表者は前者から後者への標準的準同型Psiを構成した。 2.私と、M.Levine氏、V.Voevodsky氏は独立に体上の混合モティーフ理論を構成したが、三っの理論が等価であることを証明した文献はなかった。三つの圏が同値であることを証明した。 (なおこの結果はロシアのBondarko氏も独立に得ている。)また、Friedlander-Voevodskyはcdh位相を用いてサイクルコホモロジーを定義し、独立に代表者はhyperresolutionを用いてモティーフコホモロジーを定義した。代表者はこれらのモティーフコホモロジー理論が一致することを示した. 3.代表者は混合モティーフの圏とくにその部分圏として混合Tateモティーフの三角圏DT (k)を定義した。 他方、BlochとKrizはサイクル複体からあるLie代数Lを定め、その表現の圏Rep (L)を混合モティーフのアーベル圏の候補とした。 代表者は、(1)DT(k)からRep(L)への関手Fを構成し、(2)それがコホモロジー関手と両立することを示し、(3)この関手によりポリログ対象が対応することを示した。(4)またこの関手は(或る条件のもとに)ほぼ圏同値である。

  13. 混合モティーフ理論の具体的な応用

    花村 昌樹, 金子 昌信, 森田 康夫, 石田 正典, 雪江 明彦, 斎藤 秀司

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:Tohoku University

    2003年 ~ 2005年

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    1.特異点をもつ代数多様体について、その代数的サイクルのBorel-Mooreホモロジーにおける類は、交叉コホモロジーに持ち上げを持つ(Barthel, Brasselet, Fiesler, Gabber, Kaupの定理)。この定理の別証明を与え、この定理のモティーフ的類似を定式化し「標準的な予想」のもとでこれを証明した。これを論文にまとめ出版した。 交叉コホモロジーのモティーフ版(交叉Chow群という)を我々は定義した。 アイディアは特異点解消に対して分解定理を適用すると交叉コホモロジーが分解因子のひとつに現れるが、それを幾何的な仕方で取り出せることである。この理論の詳細を論文にまとめた。 2.曲面を全空間とするLefschetz束について、分解定理のモティーフ的類似が成り立つことを示した。さらに一般次元の代数多様体を全空間とするLefschetz束が同じ結果を満たすための条件を考察した。 3.混合モティーフ層の理論の枠組みを構成の主要部を論文にした。すなわち、代数多様体Sに対しそのうえの混合モティーフ層のなす三角圏D(S)を構成し、写像f:S→Tに対し、引き戻し関手f^*,f^!および順像関手f_*,f_!を構成することである。

  14. 代数群に関連する整数論および幾何学

    雪江 明彦, 花村 昌樹, 石田 正典, 中村 哲男, 原 伸生, 尾形 庄悦, 梶原 健

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:Tohoku University

    2003年 ~ 2005年

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    雪江は引き続き概均質ベクトル空間のゼータ関数に関連した話題を研究し、Kableとともに、判別式X以下の5次体の数の評価を得た. 花村は混合モチーフを研究し、モジュラー多様体に関して、Kunneth公式に関する結果を得た. 石田はトーリック多様体に関して、可換環論におけるイデアル論を有理扇やさらに実扇の理論へ翻訳し,代数多様体のブローアップと同等の操作を実扇でも行うための理論を整備した.特にブローアップの有限回の合成について代数多様体と同様の性質を確認した.代数幾何学においてはザリスキ・リーマン空間は関数体に属する付値環全体に位相を入れたものとして定義されるが,有理扇や実扇のについてのザリスキ・リーマン空間を自由加群や実ベクトル空間の加法的前順序全体に位相を導入したものとして定義し,これを応用しやすい形に整理した.ザリスキ・リーマン空間を用いた永田による代数多様体の完備化定理を翻訳することにより,これが有理扇や実扇の組合せ論的な完備化に応用できることの証明を,ドイツのエバルト氏の協力も得て完成させた. 原は正標数の環Rにおけるイデアルの密着閉包の概念を,Rの与えられたイデアルIに対して定まる‘I-密着閉包'の概念に一般化し,これを用いて定義される一般化された判定デアルτ(I)の種々の性質を証明して理論の基礎付けを行った.また,ここで得られた方法を,随伴束の大域生成性に関する藤田予想のごく特別な場合に対する正標数の証明や,正則環のイデアルの記号的ベキ乗に関するEin-Lazarsfeld-Smithの比較定理の別証明に応用した. 中村:虚数乗法を持つ楕円曲線が全てのガロア共役と同種であるとき、Q-曲線と呼び、重要な特性を持つ.虚2次体の絶対類体上でのQ-曲線の完全な分類を完成させた.また、代数体上定義された楕円曲線は有限なトーションを持つ.楕円曲線が同種写像類中でトーションがどのように変化するかを調べた. 尾形はトーリック多様体のvery ample直線束の射影正規性とその埋め込みによる多様体の定義イデアルの生成元の次数について研究し、いくつかの射影正規性の判定法と生成元の次数の評価式を得た。

  15. 超幾何関数の幾何的研究

    吉田 正章, 佐々木 武, 岩崎 克則, 三町 勝久, 松本 圭司, 趙 康治, 花村 昌樹

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:KYUSHU UNIVERSITY

    2002年 ~ 2005年

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    超幾何関数に関する以下の結果を得た。 1)塩山積分に付随する捻表・裏路地群の交叉数を算出し塩山関数に新たな組み合わせ幾何的意味を発見した。またこの結果を共形場理論に応用し、共鳴する場合も調べた;これは単なる定理の改良でなく、応用上の要求に答えるためであった。 2)共変関数論を創設した。河童関数を発見;従来保型関数・形式は第一種狐群のみを対象としてきたが、ここに第二種でも面白い物が(身近に)あることを例によって示した。従来の超幾何多項式とは異なる、3つの整数で径数付けられる新しい超幾何多項式系を発見。 3)楕円芋蔓関数の乱舞だ関数の新しい無限積表示を発見(手多のそれとは全く異なる)。 4)超幾何的黒三角形の内角が一般のときにその形を調べた。被覆面の表示法を工夫した。 5)白頭絡補空間に入る又曲構造を又曲空間上の保形関数を構成して具体的表示に成功。 6)超幾何的測多価群が一寸来群のとき堆肥村空間と係数空間の関係を調べた。 7)超幾何的黒写像研究は百年以上続いてい、前世紀は高次元化がなされたが、ここに新たにより自然な的を持つ又曲黒写像を考案して、(特異点的微分幾何的)研究を始めた。 8)3次元李群の働く曲面を調べた;特にSL(2,R)が働く曲面を詳しく調べた。知恵備匠多項式の超幾何的補間から生じる李代数が3次元になる条件を求めた。

  16. モティーフ理論と代数的サイクル

    花村 昌樹, 佐藤 栄一, 吉田 正章, 金子 昌信, 木村 俊一, 斎藤 秀司

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:Kyushu University

    2000年 ~ 2002年

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    1.準射影代数多様体のモティーフ:D(k)を体k上のうえの混合モティーフのなす三角圏とする(これは以前に代表者により定義された)。任意の、非特異と限らない準射影代数多様体にその混合モティーフ(あるD(k)の対象)を対応させることができ、関手をなすことを示した。D(k)の定義自体は非特異射影代数多様体を用いるが、cubical hyperresolutionという技法により、射影代数多様体を非特異なもので置き換えられることをつかう。 2.モティーフ的分解定理:位相的層についての分解定理の類似定理をモティーフ層について定式化し、それをいくつかの特別な場合に証明し、その応用を見つけることが興味深いことである。Hilbertモデュラー多様体のうえのKuga-Sato族について分解定理の類似が示され、これより、代数的サイクルに関するGrothendiek-Murreの予想が示された。 3.チェインのレベルでのhomology correspodenceの理論:積代数多様体のコホモロジーをもちいて、homology correspodenceの概念が考えられ、correspondenceの合成をコホモロジーのレベルで考えることは、よく知られている。これを、チェインのレベルでおこなうことを考えた。つまり、あるcochain complexで、積代数多様体のコホモロジーをを与え、しかも合成写像がcochain complexの写像として定義できるものを与えた。 3.混合モティーフ層の圏の構成:Sを体k上の準射影代数多様体とする。S上の混合モティーフ層(mixed motivic sheaves)とそのなす三角圏(trian-gulated category)を定義した。

  17. 超幾何関数の幾何的研究

    吉田 正章, 三町 勝久, 岩崎 克則, 佐々木 武, 花村 昌樹, 松本 圭司, 金子 譲一

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:KYUSHU UNIVERSITY

    1999年 ~ 2001年

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    超幾何関数に関する以下の研究をした. 0)草男多様体を雛形とする連立線形偏微分方程式系を研究した. 1)十年近く前に代表者が作った表(裏)路地群の交叉理論と保持構造との関係を明にした.これにより理満の関係式のみならず理満の不等式まで、捩れ表(裏)路地群を使って拡張された.様々な、絶対値を中に含む積分等式も得た. 2)刻印、三次曲面の径数空間の(又曲的)一意化方程式を得た.またその方程式が高次元の超幾何微分方程式のある部分多様体への制限であることも証明した. 3)上記捩表裏路地群の交叉理論を更に発展させた:超平面配置が一般の位置にない時の交叉行列式の積公式を得た.超曲面ばかりでなく二次曲面が混じっていても、部分的結果はある. 4)刻印実三次曲面の径数空間に実又曲構造が入ることを示した.対応する群は又曲型刻苦瀬田群であることも示した. 5)純虚指数超幾何微分方程式の黒写像を研究した.この場合に測多価群として一寸来群が出現することを示した.また種数2の曲線の族との関係も発見した. 6)実三次元又曲空間上の保型形式をtheta関数を使って構成した.超球を先ず複素化し、複素超球を鉄石整数の変換が有理整数係数の変換に移るような〓蔓埋込を茂空間に対して行い、茂空間上定義された理満theta関数を埋込まれた実超球に制限して構成する.保型形式が実球上では殆んど保型関数になることも同時に示した.

  18. 多重ゼータ値の研究

    金子 昌信, 荒川 恒男, 高田 敏恵, 花村 昌樹

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B).

    研究機関:KYUSHU UNIVERSITY

    1998年 ~ 2000年

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    多重ゼータ値は,リーマンゼータ関数の正の整数点での値を素朴に一般化した対象であるが,その素朴な定義からは想像しがたい様々な数学と関係する重要な対象である.とりわけ,現在興味を持たれているのは,インデックスの異なる多重ゼータ値間の関係式の在り方である.これについて,「導分予想」という予想を定式化し,それの特別な場合の解決を経て,最終年度に,一般的に証明した.その証明により,この「導分関係式」は従来知られていた「大野の関係式」と実質同等のものであることが分かり,その理解に新しい道を拓いた.また,「正規化複シャッフル予想」という関係式の予想を定式化し,導分関係式をこの複シャッフル予想に結び付けて理解しうる式を予想,それを支持する特別な関係式を証明し,また計算実験を行った. 多重ゼータ値に指標をつけて一般化した多重L値について,反復積分表示,それを用いて得られる関係式,また3,4を法とする特別な場合について,いくつかの関係式の予想を,計算実験をもとにたてた.ある場合は最近証明された. 以前の研究において定義した多重ベルヌーイ数(古典的ベルヌーイ数の多重対数級数を用いた一般化)について,さらにその性質を調べ,クラウゼン・フォンシュタウト型の定理や,負のインデックスを持つ場合の明示公式などを証明した.ある種の多重ゼータ関数を導入,その解析接続を示し,いくつかの性質を調べた.この関数は,正の整数点で多重ゼータ値,負の整数点に多重ベルヌーイ数が現れるもので,応用として多重ゼータ値の間の代数関係式が多数得られる.もと,多重ゼータ関数の負整数点での値についての秋山茂樹,谷川好男の研究で発見された,古典的ベルヌーイ数の計算に関する興味深いアルゴリズムに,固有の証明を与えた.

  19. 特殊函数の現代的発展-表現論と複素積分からのアプローチ

    三町 勝久, 山田 泰彦, 野海 正俊, 花村 昌樹, 渡辺 文彦

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:Kyushu University

    1997年 ~ 1999年

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    Gaussの超幾何函数の良い多変数化に向けて、ルート系に付随する超幾何函数と複素積分の研究の二つのながれを統一的に把握するのが本研究の目的であった.この研究を遂行するための、より具体的なテーマは1.de Rham理論の研究:おもにA型の球函数の積分表示としてあらわれるSelberg型積分に付随するホモロジー、コホモロジーの代数幾何・複素解析幾何・位相幾何学研究、2.Hecke環等の代数系の表現と複素積分の関係:上述のホモロジー、コホモロジーにおけるAffine Hecke環や量子群の表現の実現などの研究、3.Painleve微分方程式への応用:Painleve方程式にあらわれる興味深い特殊多項式の本性を定める、4.数理物理への応用:Calogero系などの可積分系における解の積分表示の研究や可解格子模型、2次元共形場理論における相関函数の解析等. これらに関し、研究代表者は主に1および2で、分担者花村は2で、分担者野海及び山田は3で成果をあげた.協力者松井卓には4における相関関数の研究、協力者落合啓之には2における表現論的側面および4におけるCalogero系の研究、協力者若山正人には2の表現論的側面の支援、協力者加藤文元には1のde Rham理論における数論への応用という点で、本研究推進に貢献した. 次期の研究計画に繋がるものとしては、積分に付随するサイクルの研究を開始した.研究計画調書作成時からの長い懸案がようやく着手出来るようになったということは、ここに記しておくべき事であろう. いずれにせよ、3年間に得られた成果という点では合格点が得られたものと自負している(各人の論文リストを見れば明らかなように、本研究の成果は上質な雑誌に且つ多数掲載されている).これらを有効に生かして、今後の研究をさらに推進した.

  20. 混合モティーフ理論と代数的多面体のscissors合同群の理論

    花村 昌樹, 吉田 正章, 金子 昌信

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:KYUSHU UNIVERSITY

    1997年 ~ 1998年

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    1。 混合モティーフ理論 1. 体k上のうえの混合モティーフ層(mixed motivic sheaves)のなす三角圏(triangulated category)D(k)が構成された。論文1にまとめられた。これは、1980年代はじめ、Beilinson等に予想されていた理論である。混合モティーフ層はその応用もふくめ、大きく数学界で注目されている。 2. 混合モティーフ層の圏D(k)がt-構造をもつための条件が論文2で考察された。高次Chowに対するMurre,Beilinson-Souleの予想からその条件がしたがうというのが結果である。t-構造の核を考えることにより、混合モティーフ層のアーベル圏の候補が得られる。 3. 射影代数多様体にその勘合モティーフ(あるD(k)の対象)を対応させるこができることを示した(論文3)。D(k)の定義自体は非特異射影多様体を用いるが、cubical hyperresolutionという技法により、射影代数多様体を非特異なもので置き換えられることをつかう。 4. 位相的層についての分解定理とは、代数多様体の間の固有写像による定数層の順象が交叉複体の直和に分解するという主張である(Beilinson-Bernstein-Deligneによる)。この類似定理を混合モティーフ層について定式化し、それをいくつかの特別な場合に証明し、その応用を見つけることが興味深いことである。この研究はその原理的解決がA.Cortiと論文4においてなされている。さらに実際にモデユラー多様体へ応用ができる形で米国のB.Gordon,オランダのJ.Murre両氏と共同研究が進行中である。 2。代数多面体のscissors合同群の理論 分担者の吉田正章氏と代表者の花村はツイストコホモロジーに対するホッジ理論の応用を研究し論文Hodge structures on tiwsted cohomology and twisted Riemann's inequality,Iにまとめた。ツイストコホモロジーを研究するのに、ホッジ理論が有用であることは興味深い。我々はこの結果を高次元の場合に拡張することを、研究目標にしている。

  21. 超幾何関数の多角的研究

    吉田 正章, 松本 圭司, 渡辺 文彦, 花村 昌樹, 金子 昌信, 加藤 文元, 趙 康治, 土田 哲生, 福本 康秀, 山田 泰彦, 三町 勝久

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

    研究機関:KYUSHU UNIVERSITY

    1996年 ~ 1998年

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    超幾何関数を巡る数学は以下に述べるように様々な研究の方向があり、分野ではひどく離れているように見えても、思いがけない関連が発見されて進化している。 Eulerにより発見された超幾何積分は今や多くの人により現代的言葉で再定式化されている:即ち捻れ表路地と捻れ裏路地の双対内積として。期待される交差理論は、表路地では喜多と吉田により、裏路地ではChoと松本により確立された。更なる発展が進行中である、特に松本は真島・岩崎の協力を得て合流型の場合の完成を目指している。表路地と裏路地の交差理論の整合性は自動的に超幾何関数(周期積分)に関する2次関係式を生産するのであるが、それらは古典的なRiemannの等式の捻れ版と考えることが出来る。花村と吉田は捻れHodge理論を通してRiemannの不等式の捻れ版を得た。それらは超幾何関数のあたらしい2次不等式を生産する。 配置空間の一意化:X(k,n)によってk-1次元射影空間内のn点配置の成す配置空間を表すことにする。幾つかの配置空間は対称空間の離散群による商という表示を持つ;配置空間X(2,4)を上半平面Hなる対称空間の楕円母数主合同部分群Γ(2)による商として表示するX(2,4)〓H/Γ(2)を嚆矢とする。松本・佐々木・吉田は(3,6)型超幾何関数を通じて配置空間X(3,6)のIV型古典対称領域による一意化を構成した: X(3,6)〓{z∈M_2(C)|(z-z^*)/2i>0}/Γ, ここでΓは数論的鏡映群である。射影平面上にある6点が2次曲線に乗っている特殊な場合が丁度井草が60年代におこなった種数2のSiegel上半空間の研究を再現している。 金子はD.Zagierと超特異楕円曲線と超幾何関数を繋ぐ保型値形式を発見した。金子はj(r)のFourier係数にかんする新しい数論的公式を得た。 加藤は果敢にも代数多様体でDrinfeld対称空間でp-進一意化される例を構成し、p-進解析的一意化微分方程式を構成しようとしている。加藤はすでに石田と新しい射影平面もどきを発見しp-進及び複素解析的に研究している。果してp-進超幾何関数(微分方程式)でp-進一意化される例が存在するのかという興味深い問題に挑戦している。 渡辺はPainlve関数の岡本変換を高野の相空間の構成を利用した新しい見通しのいい方法で導き出した。

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社会貢献活動 1

  1. 出張講義

    2014年12月 ~

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    仙台の公立高校における,現代代数学についての解説

その他 1

  1. 混合Tateモティーフのコホモロジー実現

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    混合Tateモティーフのコホモロジー実現,とくに Hodge構造の構成.