研究者詳細

顔写真

カゴハシ トシミツ
籠橋 俊光
Toshimitsu Kagohashi
所属
大学院文学研究科 日本学専攻 日本歴史学講座(日本史専攻分野)
職名
教授
学位
  • 博士(文学)(東北大学)

  • 修士(文学)(東北大学)

研究分野 1

  • 人文・社会 / 日本史 /

共同研究・競争的資金等の研究課題 4

  1. 近世近代・公私文書を通貫した意思決定慣行に関する総合的研究

    籠橋 俊光, 小幡 圭祐, 加藤 諭

    2021年4月1日 ~ 2024年3月31日

    詳細を見る 詳細を閉じる

    本年度は令和3年9月21日に第1回研究会を開催し、初年度における研究代表者・研究分担者の調査・研究計画の検討と問題関心の共有を行うことにより、以後の研究方針の確定した。令和4年3月24日に第2回研究会を開催し、研究状況を相互に把握しつつ意見交換に努めた。各担当の研究実績について、近世では、近世公私文書による意思決定過程を藩政・地域社会2つのレベルで検討した。前者は仙台市博物館所蔵伊達家文書を調査し、18~19世紀段階の藩政文書の性格把握と仙台藩書札礼の解明を進めた。後者は水戸藩中間支配機構発給の文書類を検討し、藩施策への中間支配機構の対応を検討した。 近世・近代移行期では、行政官庁である内務省と大蔵省について検討を行った。内務省については、内務卿・大久保利通の具体的政策関与の実態を検討し、大久保が付箋の活用によって自身の意向を政策に盛り込んでいたこと、また、部下と意見が対立した場合に、部下が内務省の公文書を私文書化することにより案件を闇に葬ったことを解明した。大蔵省については、大蔵卿・大隈重信期の政策立案・意思決定の実態を検討し、字を書かない大隈は自らの意見を政策に盛り込むために立案者を重視するとともに、立案にあたっては個人による起案から組織・集団による起案へと変化したことを解明した。 近代では、大学自治と人事制度について、帝国大学期における営繕組織を事例に、往復文書、任免記録の分析をおこなった。東北帝国大学の営繕組織については、東京帝国大学工学部建築学科卒業生を中心とした人脈を軸として、彼らのキャリアパスの一つの通過点として位置づけられていたことを解明した。また戦後1960年代の大学紛争と大学改革に関する意思決定の沿革を考察する上で、戦後東京大学の本部機能が集約されていた安田講堂で総長選挙や諸会議がどのようにおこなわれていたのか、場の機能と文書を組み合わせて分析をおこなった。

  2. 社会転換期における地域アーカイブズ全国調査の検証と新たな方法の開拓

    渡辺 浩一, 籠橋 俊光, 東 昇, 山田 浩世, 宮間 純一, 神谷 智, 谷本 晃久, 伊藤 昭弘, 塚原 伸治, 望月 良親, 作野 広和, 原 直史, 板垣 貴志, 西村 慎太郎, 梶嶋 政司, 中野 賢治

    2020年7月30日 ~ 2024年3月31日

    詳細を見る 詳細を閉じる

    新型コロナ感染症流行のため、感染の合間に調査を行った。 リモートの研究会を2回開催した。第一回研究会は8月19日に行われ、日本各地の研究分担者が調査の進捗状況をそれぞれ報告した。 第二回研究会は、3月16日に以下の二つの研究発表が行われた。梶島政司「九州大学と近世庶民史料調査」、宮間純一「1950・60年代、多摩地域における古文書所在調査と文書群のその後」。 総括班では、以下の二つのことを行った。①近世庶民史料調査目録原本の撮影、九州、北海道、東北の一部を撮影し、それぞれの研究分担者に画像データを提供した。2022年度も撮影を継続し、全ての研究分担者に画像データを提供する予定である。②近世庶民史料調査委員会文書の細目録作成、長野県諏訪郡の現地で作成された目録と、東京の調査委員会で清書した近世庶民史料調査目録との比較対照も一部について行うことができた。 以上の活動の結果、現段階では以下のような仮説を立てている。①九州地区のように大学に所属する研究者が中心となって歴史研究もかねて調査を行う地区、この部類には現長野市域が該当する可能性がある。②東京都多摩地域のように郷土史家が中心となって調査が行われた地区、この部類には長野県諏訪地域が該当する可能性がある。③さらに長野県諏訪地域では、小学校に古文書が集められ、出所を越えた主題分類の目録が作成され東京に送付された。東京の委員会では、それを出所別に分類し直して目録を清書した。といった過程を経た可能性がある。

  3. 日本列島における鷹・鷹場と環境に関する総合的研究

    福田 千鶴, 大賀 郁夫, 籠橋 俊光, 東 昇, 久井 貴世, 東 幸代, 森田 喜久男, 渡部 浩二, 伊藤 昭弘, 堀田 幸義, 江藤 彰彦, 兼平 賢治, 安田 章人, 水野 裕史, 武井 弘一, 相馬 拓也, 中澤 克昭, 岩淵 令治, 藤實 久美子, 大坪 舞, 荻 慎一郎

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

    研究機関:Kyushu University

    2016年4月1日 ~ 2021年3月31日

    詳細を見る 詳細を閉じる

    日本列島上において、鷹と人間は長い共生の歴史を歩んできた。また、5世紀の古墳時代から江戸幕府瓦解の19世紀後半に至るまで、鷹狩は権力と深く結び付きながら、連綿と続けられてきた。そこには、日本の風土や社会のなかで地域・時代・階層、あるいは狩猟の目的等にあわせて独自に発展してきた固有の歴史が存在する。本研究課題では、それらの通史的な展開を検討するとともに、近世になって全国的に設置された鷹場が環境に与えた影響やそこでの人々の生活について検討し、この二次環境としての鷹場が幕末に失われることで、近代化過程における環境破壊や生態系の変化といった問題が引き起こされるという重要な意義を問題提起した。

  4. 近世・近代行政組織における意思決定慣行と制度形成に関する研究

    籠橋 俊光, 小幡 圭祐, 加藤 諭

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

    研究機関:Tohoku University

    2017年4月1日 ~ 2020年3月31日

    詳細を見る 詳細を閉じる

    本研究は日本近世から近代において、行政組織が形成されるなかで整備されていく、意思決定に伴う様々な文書様式の成立と変遷に着目し、各時代の特徴の比較検討から、特定の時期の意志決定過程に留まらない日本近世から近代を通じた行政組織における意思決定の慣行そのものの解明を目的とした。 その結果、近世から近代にかけての意思決定慣行の内実を、それぞれの時期の行政機構の性格を踏まえつつ、立体的に理解することができた。各時代を通じた分析により、それぞれの時代の行政機構の存在形態・意思決定のあり方と文書様式の関連をより明瞭に示すことができた。