研究者詳細

顔写真

サトウ セイコ
佐藤 誠子
Seiko Sato
所属
大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 教育心理学講座(教育心理学)
職名
准教授
学位
  • 博士(教育学)(東北大学)

  • 修士(教育学)(東北大学)

経歴 6

  • 2022年10月 ~ 継続中
    東北大学 大学院教育学研究科 准教授

  • 2022年4月 ~ 2024年3月
    放送大学 客員准教授

  • 2020年4月 ~ 2022年9月
    石巻専修大学 人間学部 准教授

  • 2014年4月 ~ 2020年3月
    石巻専修大学 人間学部 助教

  • 2013年4月 ~ 2014年3月
    東北大学 大学院教育学研究科 教育学部教育ネットワークセンター 助教

  • 2012年4月 ~ 2013年3月
    東北大学 大学院教育学研究科 博士研究員

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学歴 3

  • 東北大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 博士課程後期

    2007年 ~ 2011年

  • 東北大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 博士課程前期

    2005年 ~ 2007年

  • 東北大学 教育学部

    2001年4月 ~ 2005年3月

委員歴 4

  • 日本教授学習心理学会 理事

    2023年4月 ~ 継続中

  • 日本教育心理学会 編集委員

    2022年1月 ~ 2024年12月

  • 日本教授学習心理学会 監事

    2020年4月 ~ 2023年6月

  • 日本教授学習心理学会 編集委員

    2017年7月 ~ 2023年6月

所属学協会 3

  • 日本心理学会

  • 日本教授学習心理学会

  • 日本教育心理学会

研究キーワード 3

  • 教科学習

  • 教授法

  • 教授学習過程

研究分野 1

  • 人文・社会 / 教育心理学 / 教授学習過程

受賞 1

  1. 2021年度優秀論文賞

    2022年8月 日本教育心理学会 概念変化はなぜ生じにくいのか―仮説的判断を阻害する要因としての自己完結的推論―

論文 37

  1. 「誤ルール」は科学的ルールの学習を妨害するのか―知識構成の観点からの検討― 査読有り

    佐藤 誠子, 永山 貴洋

    教育心理学研究 73 (2) 63-78 2025年6月30日

    出版者・発行元: 一般社団法人 日本教育心理学会

    DOI: 10.5926/jjep.73.63  

    ISSN:0021-5015

    eISSN:2186-3075

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    ルールによる課題解決が困難な要因の一つとして,学習者のもつ誤ルールの存在が指摘されてきた。これまでの研究では,誤ルール修正方略の有効性は誤ルールの「強固さ」によって異なることを示している。しかし,従来の研究では全体の解答傾向から誤ルールの存在を想定しているにすぎず,学習者個人の反応パターンからすれば誤ルールが推定されない場合も考えられる。そこで本研究では,大学生46名を対象に教授実験をおこない,事前反応パターンによって誤ルール修正方略(対決型ストラテジー)の効果が異なるかどうかを量的分析により検討した。さらにその結果を説明するために4名にインタビュー調査を実施し,学習場面における思考過程について質的分析をおこなった。量的分析の結果,事前で一貫誤答を示した学習者は事後課題解決においてルールの適用が促進された一方,事前で個別判断を示した学習者は事後課題解決が困難であったことが示された。さらに,質的分析の結果,前者の思考過程は一貫してルールの確信度を高めるものであったこと,一方,後者は個別の課題や事例にもとづく思考が中心であり,事例とルールを結びつけるような知識構成が困難であったことが示唆された。

  2. ルールの機能的側面の教授が課題解決に及ぼす効果―「深化機能」を中心に― 査読有り

    工藤与志文, 佐藤誠子, 進藤聡彦

    教育心理学研究 72 (3) 141-156 2024年9月

    出版者・発行元:

    DOI: 10.5926/jjep.72.141  

    ISSN:0021-5015

    eISSN:2186-3075

  3. 「知識適用における既知性効果」の一般性およびその発生機序について 査読有り

    工藤 与志文, 佐藤 誠子, 進藤 聡彦

    教育心理学研究 72 (2) 87-98 2024年6月

    出版者・発行元: 東京 : 日本教育心理学会

    ISSN:0021-5015

  4. ルールの予測機能の教授が課題解決に及ぼす効果―「知識適用における既知性効果」とその解消― 査読有り

    工藤 与志文, 佐藤 誠子, 進藤 聡彦

    教育心理学研究 71 (1) 38-50 2023年3月

    出版者・発行元:

    DOI: 10.5926/jjep.71.38  

    ISSN:0021-5015

    eISSN:2186-3075

  5. 知識の道具的機能の教授が自己完結的推論の抑制に及ぼす効果―四角形のルールによる図形分類課題を取り上げて― 査読有り

    佐藤誠子

    教授学習心理学研究 17 (2) 60-71 2022年6月

  6. 演算選択と見積もり回答の非整合性にみられる割合学習のつまずき : 大学生を対象とした調査から

    佐藤 誠子

    石巻専修大学研究紀要 (33) 57-63 2022年3月

    ISSN:0915-8715

  7. ルールによる課題解決はなぜ困難なのか : 「誘導法」によるルール学習研究 査読有り

    工藤 与志文, 佐藤 誠子, 進藤 聡彦

    教授学習心理学研究 17 (1) 1-16 2021年12月

    ISSN:1880-0718

  8. 概念変化はなぜ生じにくいのか:―仮説的判断を阻害する要因としての自己完結的推論― 査読有り

    佐藤 誠子, 工藤 与志文

    教育心理学研究 69 (2) 135-148 2021年

    出版者・発行元: 一般社団法人 日本教育心理学会

    DOI: 10.5926/jjep.69.135  

    ISSN:0021-5015

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    <p> 本研究は,既有知識の変化の困難さについて学習者の推論過程の側面から検討するものである。従来の合理的モデルに従えば,既有知識が変化するには,誤概念など既有知識からの「直観的判断」とルールに基づく「仮説的判断」とが同等におこなわれ,それらが比較対照される必要があるが,実際には後者の判断に困難があることが佐藤・工藤(2015)により示されている。これらを踏まえ,本研究では三角型四角形(三角形の直観的イメージに近い四角形)の分類課題を取り上げ,大学生を対象に仮説的判断の重要性とその方法を教授する授業をおこなうことで,課題に対する判断の転換がみられるかどうかを検討した。その結果,①推論の出発点を直観的判断にしか置けず,それを支えるための説明を生み出す方向にしか推論が展開されない「自己完結的推論」が存在すること(研究1,研究2),②仮説的判断を推論の俎上に載せることができれば,自己完結的推論が抑制され,双方を比較対照する検証過程に持ち込める可能性が高まること(研究2)が示された。これらの結果から,従来の誤概念修正ストラテジーの効果および概念変化達成のための教授学習条件を再考した。</p>

  9. 算数授業における割合の問題解決を促進する教授法の効果 : 「比例関係」と「具体的定義」に着目して 査読有り

    蛯名 正司, 佐藤 誠子

    教授学習心理学研究 = The Japanese journal of psychology in teaching and learning 15 (2) 70-80 2020年5月

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    ISSN:1880-0718

  10. ルール学習場面における学習者の質問生成とルール適用 : 種子植物ルールの学習の場合

    佐藤 誠子

    石巻専修大学研究紀要 = Bulletin of Ishinomaki Senshu University (31) 63-69 2020年3月

    出版者・発行元: 石巻専修大学

    ISSN:0915-8715

  11. 歴史的事象の推論に及ぼす知識間の関連づけの効果 : コロンブスはどこに到着したか? 査読有り

    佐藤 誠子, 工藤 与志文

    教授学習心理学研究 = The Japanese journal of psychology in teaching and learning 15 (1) 11-21 2020年1月

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    ISSN:1880-0718

  12. 講義型授業における大学生の能動的学習の可能性 : コメントペーパーの記述分析から

    佐藤 誠子

    石巻専修大学研究紀要 = Bulletin of Ishinomaki Senshu University (30) 105-111 2019年3月

    出版者・発行元: 石巻専修大学

    ISSN:0915-8715

  13. The Effect of Knowledge Systematization on Learning Scientific Rules: A Case Study Using a Qualitative Approach

    Kudo,Y, Sato, S, Nishibayashi, K, Shindo, T

    Annual Bulletin Graduate School of Education, Tohoku University 5 29-41 2019年

  14. 理科授業における操作可能なルールの教示が科学法則の初歩的な理解に及ぼす影響 : 質量保存則を例に 査読有り

    佐藤 誠子, 蛯名 正司, 工藤 与志文

    教授学習心理学研究 = The Japanese journal of psychology in teaching and learning 14 (2) 42-56 2019年1月

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    ISSN:1880-0718

  15. 大学生のもつ心理学の素朴概念とその修正について : 授業における能動的学習の観点から

    佐藤 誠子

    石巻専修大学研究紀要 (28) 107-111 2017年3月

    出版者・発行元: 石巻専修大学

    ISSN:0915-8715

  16. The effect of knowledge structuring on the application of rules 査読有り

    Sato,S, Nishibayashi, K, Shindo, T, Kudo, Y

    European Psychology Learning and Teaching Conference Program Book 137-139 2017年

  17. 理科授業におけるルール学習の促進・抑制要因に関する検討:小5「もののとけ方」の授業分析を通して 査読有り

    蛯名 正司, 佐藤 誠子, 工藤 与志文

    教授学習心理学研究 13 (1) 1-20 2017年

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    DOI: 10.20629/japtl.13.1_1  

    ISSN:1880-0718

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    本研究は,小学5年理科「もののとけ方」を対象に,授業におけるルール学習の成立条件を検討したものである。研究では,まず,教科書の問題点を踏まえ,①複数事例の使用,②ルールの典型性が高い事例の優先的使用,③実験操作とルールとの関連づけという3つの方針に基づいた授業プランを作成し,溶解ルールの理解が促進されるかを事後評価課題により検討した(分析1)。さらに,分析1で得られた結果について,授業過程を分析することにより,授業者の教授活動およびその背景にある授業者の教材解釈が児童の学習活動にいかなる影響を及ぼしたのかを検討した(分析2)。公立小学校5年生(66名)を対象に授業を実施した結果,授業プランの方針①の有効性は確認できたが,方針②及び③の有効性は確認できなかった。これらの結果について授業過程の分析を行ったところ,①の有効性は授業者による複数事例のカテゴリー化とそれによる推論を促す発問に負うところが大きいことが示唆された。他方,有効性が確認されなかった②③については,実験における定量的な確認の不十分さや,仮説検証のための実験としての側面の弱さが影響を及ぼしていた可能性が示唆された。

  18. 具体物を用いた教授学習場面における学習者の思考過程 : 積極的効果を保証する条件の検討

    佐藤 誠子

    石巻専修大学研究紀要 (27) 93-100 2016年3月

    出版者・発行元: 石巻専修大学

    ISSN:0915-8715

  19. ルールの適用を阻害する学習者の思考過程の検討 : ルールによる仮説的判断の難しさ 査読有り

    佐藤 誠子, 工藤 与志文

    教授学習心理学研究 11 (2) 54-65 2015年12月

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    ISSN:1880-0718

  20. リーディング・リテラシーと読書態度との関係

    中野 友香子, 佐藤 誠子, 深谷 優子

    東北大学大学院教育学研究科研究年報 63 (2) 89-97 2015年6月

    出版者・発行元: 東北大学大学院教育学研究科

    ISSN:1346-5740

  21. 授業における学習者の「まとめ」の違いとその後の課題解決との関連 : 具体物を用いた算数授業の場合 査読有り

    佐藤 誠子

    教授学習心理学研究 11 (1) 28-39 2015年6月

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    ISSN:1880-0718

  22. 学校カウンセリング・教育相談に対する大学生のイメージ調査 : 教職課程における指導の留意点の導出を目的として

    佐藤 誠子

    石巻専修大学研究紀要 (26) 145-150 2015年3月

    出版者・発行元: 石巻専修大学

    ISSN:0915-8715

  23. 読書嗜好尺度の開発

    中野 友香子, 佐藤 誠子, 深谷 優子

    東北大学大学院教育学研究科研究年報 62 (2) 73-83 2014年6月

    出版者・発行元: 東北大学大学院教育学研究科

    ISSN:1346-5740

  24. 教授学習場面における具体物の利用とその課題 : 算数・数学学習に焦点をあてて

    佐藤 誠子

    東北大学大学院教育学研究科研究年報 62 (2) 227-239 2014年6月

    出版者・発行元: 東北大学大学院教育学研究科

    ISSN:1346-5740

  25. 具体物モデルによる教授が後続の課題解決に及ぼす影響―課題解決に対する妨害的作用とその制御条件― 査読有り

    佐藤 誠子

    東北教育心理学研究 = The Tohoku journal of psychology in education 13 43-53 2013年10月

    出版者・発行元: 東北教育心理学研究会

    ISSN:0911-9515

  26. 種子植物の生殖ルールの適用をいかに促すか : 「花と実の類似性」教授の効果 査読有り

    佐藤 誠子, 工藤 与志文

    教授学習心理学研究 9 (1) 1-11 2013年

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    ISSN:1880-0718

  27. 具体物モデルを用いた学習において公式適用をいかに促すか : 公式の意味を説明するモデルの場合

    佐藤 誠子

    東北大学大学院教育学研究科研究年報 62 (1) 339-350 2013年

    出版者・発行元: 東北大学大学院教育学研究科

    ISSN:1346-5740

  28. 授業における教育カウンセリング : 教育相談の基盤となる教師と子どもの関係性の構築に向けて

    阿部 康一, 佐藤 誠子

    石巻専修大学経営学研究 23 (2) 69-76 2012年

    出版者・発行元: 石巻専修大学

    ISSN:0915-8731

  29. 具体物モデルによる教授が大学生の公式理解に及ぼす効果 : 認知的・情意的側面に着目して

    佐藤 誠子

    東北大学大学院教育学研究科研究年報 60 (2) 307-322 2012年

    出版者・発行元: 東北大学大学院教育学研究科

    ISSN:1346-5740

  30. 身近な資料を教材として用いた授業プランの提案―「チラシ地図」作り活動を取り上げて―

    佐藤誠子, 蛯名正司, 宮田佳緒里, 工藤与志文

    東北大学大学院教育学研究科教育ネットワークセンター年報 11 (11) 11-19 2011年3月

    出版者・発行元: 教育ネットワークセンター

  31. 外的操作活動による求積公式の理解の促進 : 等周長変形を用いて 査読有り

    佐藤 誠子

    教授学習心理学研究 7 (2) 70-79 2011年

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    DOI: 10.20629/japtl.7.2_70  

    ISSN:1880-0718

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    基本的平面図形の求積公式を学習した後の学習者でも,図形の具体的な長さの数値が与えられていない問題状況になると,公式を使えず,底辺や高さの相対的な大小から面積の大小を推論することができない者が少なくない。本稿では,数値がなくとも底辺と高さの変化から面積変化を導出できることを理解させ,面積が直交する2方向に拡がる量であることを実感させるために,等周長変形を教材として用いた授業プランを立案し授業実践を行った。授業での主要なポイントは,(1)等周長変形を紙上で提示するのではなく,実際の手操作として行わせること,(2)具体物を用いて連続的な等周長変形に伴う面積変化を実感させることであった。授業の結果,等周長変形の操作活動を通して面積変化を捉えることの面白さに言及する感想が多くみられ,具体的数値がなくとも公式を用いて面積変化を推論することの面白さを実感させることができた。しかし同時に,具体物によって示された現象的な面積の理解にとどまった学習者もみられた。具体物の操作活動によって抽象的概念を捉えさせる際,授業者側のねらいと学習者側の認識との間にずれが生じてしまう可能性があることが課題として指摘された。

  32. 小学生の面積大小判断に及ぼす認知的ツールの提示の効果―公式の定性的理解との関連に着目して― 査読有り

    佐藤誠子

    東北教育心理学研究 12 23-32 2011年

  33. 面積変化を具現化する教授が大学生の面積判断に及ぼす効果 : 図形の拡大・縮小場面の場合 査読有り

    佐藤 誠子

    教授学習心理学研究 6 (2) 61-74 2010年

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    DOI: 10.20629/japtl.6.2_61  

    ISSN:1880-0718

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    相似図形の面積に関して,「図形をk倍に拡大すると面積はk^2倍になる」というルール(2乗倍ルール)が存在する。それは,「縦×横=面積」という公式の変数操作により導出されるものであるが,基本的な幾何的図形の面積学習後でも2乗倍ルールを適用した解決がなされにくいことが先行研究により示されている。本研究では,そのような公式変数の操作を具体的な物としての操作に変換して教示すること(具現化)が適切な面積判断を促進させるか否かについて,大学生を対象に検討した。具体的には,拡大前後の図形に丸粒シールを敷きつめ,各図形に敷きつめられた粒の個数を比較させることにより面積変化を捉えさせた。短大生28名を対象に検証した結果,適切判断は図形の拡大場面の一部において促進されたが,長さの数値を示した拡大場面や図形の縮小場面では必ずしもそうではなかった。そしてこの課題成績の違いは,事前の面積判断で定量的側面への着目にとどまったか,定性的側面にまで着目しえたかに依存することが示された。ルールに依拠した適切判断のためには,具現化による定量的な面積理解を定性的な変数間関係として捉えなおす段階が必要となることが示唆された。

  34. 図形の拡大場面における中学生の面積判断--面積変化を具現化する教授の効果

    佐藤 誠子

    東北大学大学院教育学研究科研究年報 58 (2) 85-103 2010年

    出版者・発行元: 東北大学大学院教育学研究科

    ISSN:1346-5740

  35. 図形の拡大・縮小場面における大学生の面積判断―面積の乗法性に着目させる教授の効果― 査読有り

    佐藤 誠子

    東北教育心理学研究 = The Tohoku journal of psychology in education 11 21-29 2009年3月25日

    出版者・発行元: 東北教育心理学研究会

    ISSN:0911-9515

  36. 小学生における面積大小判断の誤りとその修正 査読有り

    佐藤 誠子

    教授学習心理学研究 4 (1) 29-39 2008年

    出版者・発行元: 日本教授学習心理学会

    DOI: 10.20629/japtl.4.1_29  

    ISSN:1880-0718

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    底辺を固定したまま長方形枠を平行四辺形に変形させたときの面積の変化を問う「等周長変形課題」は,求積公式を適用することで解決可能であるにも関わらず,「面積同じ」と判断する誤りが多くみられる。このことに関して,等周長変形課題では求積公式に関する知識よりも保存概念の方が活性化されやすく,それが面積判断に不適切に適用されるためであると想定した。そうした場合,公式を適用した問題解決が可能になるには,概念の不適切な適用を抑制させる必要があると思われる。そこで,本研究では,面積学習後の小学6年生を対象に,等周長変形課題の3次元化による面積変化の提示が,保存概念の不適切な適用を抑制し,結果的に公式に依拠した正しい判断へと導くかどうかを検証した。その結果,面積変化を提示された群では等周長変形課題の正答率が上昇し,事前から事後にかけて誤答から正答に変容した者が多いことが示された。しかし一方,正答率が低下した問題もみられた。等周長変形の面積変化の提示の際,学習者は高さの変化よりも形の変化に着目し,「長方形から平行四辺形に変わったら面積は小さくなる」という知識を形成している可能性があることが示唆された。

  37. 小中学生における面積大小判断とその規定要因について--図形の高さ概念および公式の定性的理解に着目して

    佐藤 誠子

    東北大学大学院教育学研究科研究年報 56 (2) 123-135 2008年

    出版者・発行元: 東北大学大学院教育学研究科

    ISSN:1346-5740

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MISC 1

  1. 優秀論文賞を受賞して—概念変化はなぜ生じにくいのか―仮説的判断を阻害する要因としての自己完結的推論―

    佐藤 誠子, 工藤 与志文

    教育心理学年報 62 332-334 2023年3月30日

    出版者・発行元: 一般社団法人 日本教育心理学会

    DOI: 10.5926/arepj.62.332  

    ISSN: 0452-9650

    eISSN: 2186-3091

講演・口頭発表等 26

  1. 「学力」はどう高まるか-教育心理学からのアプローチ-

    藤村宣之, 岡本真彦, 佐藤誠子, 鈴木豪, 伊藤崇達

    日本教育心理学会総会発表論文集 2024年

  2. 学校で学ぶ知識の機能に対する大学生の認識-「知識機能観」尺度構成の試み-

    佐藤誠子, 進藤聡彦, 工藤与志文

    日本教育心理学会総会発表論文集 2024年

  3. 高校段階での心理学教育の可能性を探る 高校生の素朴心理学を活かした心理学の学習法・教授法

    日本心理学会 教育研究委員会 高校心理学教育小委員会, 山本 博樹, 北川 恵, 池田 まさみ, 佐藤 誠子, 堀江 竜也, 工藤 与志文, 楠見 孝

    日本心理学会大会発表論文集 2023年

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    いよいよ2024年度より,高校公民科「倫理」を中心に,心理学領域(「認知」「感情」「個性」「発達」)が本格導入される(学習指導要領,2018)。学校教育への導入を通し,心理学の知見を社会に還元する大きなチャンスであり,心理学界をあげて尽力すべき重要課題である。このことは,日本学術会議や日本心理学会が主導する公開講座やシンポジウムが増えつつある現況からも明らかである。ちなみに,日本心理学会では「高校生のための心理学講座」が2012年度より継続的に開催され,また2019年第83回大会では「高等学校への心理学教育の導入をめぐって」と題したシンポが開催され盛り上がりをみせ,2022年度の公開シンポに引き継がれていく中で,議論の土台が構築されてきた。そこで,こうした議論の土台のうえに立って,この機会に,高校教育の全般にわたり様々な教科に入り込む心理学教育の全貌をしっかりと捉えた上で,2024年度から本格的に授業が始まる点を見据えて,心理学授業のあり方を考えることが肝要だろう。 この際には,新学習指導要領が掲げる「主体的・対話的で深い学び」を見据えて,いかに生徒の学びを支える授業を構築するかが大事になる。ただし,心理学教育ゆえの課題が横たわっている。それは,高校生が保持する素朴心理学(俗説)への対応である。例えば,高校生については,いびつな構造の素朴心理学を持つことが繰り返し指摘されてきた。高校生はこの素朴心理学を信じ切ることで,理解にバイアスがかかると考えられているからである(Bensley, Rainey, Lilienfeld, & Kuehne, 2015)。素朴心理学は幼児期より保持されてきたと考えられるから(Wellman & Gelman, 1998),高校段階でも保持する素朴心理学を信じ切ることで,様々な教科に入り込む心理学の「深い学び」への影響が危惧されるのである。 そこで,今回のシンポジウムでは,高校教育の様々な教科に入り込む心理学教育の全貌をしっかりと捉え,高校生の素朴心理学をどう克服し,時に学習法に生かしていくかを考えながら,高校生への心理学教育のあり方を考える機会としたい。

  4. 知識学習における視点の変換が課題解決に及ぼす影響—「条件づけ」の学習の授業実践

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2023年

  5. ルール適用においてカテゴリー情報はなぜ無視されるのか

    工藤 与志文, 佐藤 誠子, 進藤 聡彦

    日本教育心理学会総会発表論文集 2022年

  6. 未知事例への知識使用を促す教授活動が自己完結的推論の抑制に及ぼす効果—「三角型四角形」問題を取り上げて

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2022年

  7. 児童・生徒の「教科内容の本質的理解」を促す授業デザイン:(1)どのような課題を設定するか

    藤村 宣之, 橘 春菜, 金田 茂裕, 佐藤 誠子, 青柳 尚朗, 石橋 優美, 鈴木 豪

    日本教育心理学会総会発表論文集 2021年

  8. 課題解決における既有知識の使用に及ぼす大学教育の影響:「誘導法」による分析

    工藤 与志文, 進藤 聡彦, 佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2020年

  9. 大学生の割合文章題第3用法の解決にみられる演算選択:見積もりおよび制限的乗法・除法観との関連

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2020年

  10. ルールの適用場面における学習者の認識的信念の分析:―課題の事前認識に着目して―

    永山 貴洋, 佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2019年

  11. 大学生は小学生の面積課題解決をどう予測するか:―現職教員との比較―

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2019年

  12. 講義型授業における大学生の認知的能動性の検討:コメントペーパーの記述分析から

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2018年

  13. 直観に反する仮説的判断の強制導入が自己完結的推論の抑制に及ぼす効果

    工藤 与志文, 佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2018年

  14. The effect of knowledge structuring on the application of rules

    Sato, S, Nishibayashi, K, Shindo, T, Kudo, Y

    European Psychology Learning and Teaching 2017年9月

  15. ルールの操作による予測活動が後続の課題解決に及ぼす効果

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2017年

  16. PE025 ル・バーはいかにしてルールの学習を妨害するか : 直観に反する仮説的判断の困難さについて(教授・学習・認知,ポスター発表E)

    工藤 与志文, 佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2015年

  17. PB028 具体物を用いた教授場面における学習者の思考過程の検討 : 積極的効果をもたらす条件について(教授・学習・認知,ポスター発表B)

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2015年

  18. PE038 算数学力評価ルーブリックの妥当性検討の試み : 面積学習領域を例として(教授・学習・認知,ポスター発表E)

    佐藤 誠子, 柴山 直

    日本教育心理学会総会発表論文集 2014年

  19. PB-041 IRTモデルにもとづく学力評価ルーブリック作成手法の試み : 面積比較課題を例として(測定・評価,ポスター発表)

    佐藤 誠子, 柴山 直

    日本教育心理学会総会発表論文集 2013年

  20. PA-094 具体物モデルのイメージ操作が公式理解に及ぼす効果 : 扇形の求積公式を取り上げて(教授・学習,ポスター発表)

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2012年

  21. P4-50 小学生の面積大小判断に及ぼす具体物モデルの影響 : 公式に依拠した課題解決のための条件(教授・学習,ポスター発表)

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2011年

  22. K117 面積変化を具現化する教授が中学生の面積判断に及ぼす効果(口頭セッション19 算数2)

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2010年

  23. PC048 求積公式の理解に及ぼす具体物モデルの効果 : 扇形の場合

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2009年

  24. あやまり(誤り)の可能性 プロセスの多様性 : 算数授業のデザインを考える(自主シンポジウムD3)

    河野 麻沙美, 河崎 美保, 佐藤 誠子, 白水 始, 藤村 宣之

    日本教育心理学会総会発表論文集 2008年

  25. PF2-22 図形の拡大・縮小場面における大学生の面積判断 : 異なるルール説明が課題遂行に及ぼす影響(教授・学習,ポスター発表F)

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2008年

  26. PG053 小学生の面積大小判断に及ぼす認知的ツールの提示と公式の定性的理解の援助の効果

    佐藤 誠子

    日本教育心理学会総会発表論文集 2007年

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共同研究・競争的資金等の研究課題 12

  1. ルールベーストアプローチによる発展的学習に関する教育心理学的研究

    工藤 与志文, 佐藤 誠子, 進藤 聡彦

    2025年4月1日 ~ 2030年3月31日

  2. 社会科における知識の構造化を促進する教授方略としての知識操作

    進藤 聡彦, 工藤 与志文, 舛田 弘子, 佐藤 誠子

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

    研究機関:The Open University of Japan

    2023年4月1日 ~ 2026年3月31日

  3. 概念変化を促進・抑制する学習者要因の検討:既有知識の堅固性と思考過程に着目して

    佐藤 誠子

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

    研究機関:Tohoku University

    2023年4月 ~ 2026年3月

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    本研究は,概念変化の促進・抑制に関わる学習者要因について,事前段階における誤反応の一貫性,およびルールに基づく仮説的判断と既有知識に基づく直観的判断の思考過程の側面から検討するものである。2023年度は,課題解決における判断変容の困難さについて学習者の思考過程の側面から再検討した。具体的には,条件づけのコイ課題(舛田,2021;手叩き音にコイが近寄る行動について,レスポンデント条件づけとオペラント条件づけのうちどちらによる行動形成かをたずねる問題)における大学生の判断を取り上げた。 先行研究(舛田,2021; 佐藤,2022)では,上記の課題に対して「レスポンデント条件づけ」と判断する学習者が少なくないこと,その判断にはパブロフの犬に関する学習経験が影響していることが示されている。これを思考過程の側面から捉え直すと,パブロフの犬に関する既有知識から課題の表面的特徴に着目して「レスポンデント条件づけである」とする直観的判断に飛びつき,授業で学んだ条件づけの知識が後付け的に使用される「自己完結的推論」(佐藤・工藤,2021)が生じていると考えられた。そこで,条件づけに関する知識を使用した課題解決を促す方策として,はじめに対象となる行動の種類を判別させ適切な仮説的判断をさせること,そのうえで「行為の主体者」から「行動の制御者」へ視点を変換し行動形成のメカニズムを説明させることを試みた。大学生を対象とした授業実践の結果,コイ課題での適切判断の割合が先行研究よりも上昇し,さらに行動形成メカニズムについても適切な説明を行っていた者が多かったことが示された。この結果から,概念変化プロセスにおいてまずは適切属性に着目した仮説的判断をおこなうことが重要になることが示唆された。

  4. 学校教育で獲得された科学的知識の転移およびその抑制・促進要因に関する研究

    工藤 与志文, 佐藤 誠子, 進藤 聡彦

    2021年4月 ~ 2026年3月

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    これまでの研究では、ルール適用課題において未知事例に対するルール適用が抑制される傾向(知識適用における既知性効果)が確認されたるとともに、その一般性に関する知見が得られた。一方、既知性効果の解消については、ルールの予測機能の教授が効果的であることも示された。しかしながら、予測機能の教授によってもルール解釈課題の解決は促進されず、今後の検討課題として残された。本年度はルールの機能として「予測機能」に加えて「深化機能」を教授することで、ルール解釈課題の解決が促進できるのではないかという仮説を検証した。深化機能とは、予測機能によるカテゴリーの拡張に伴い、ルールを構成する概念についての既有の理解を見直す必要が生じることによって、結果的に当該概念の理解が深化するというルール機能のことである。「動物は消化器を持つ」というルールを題材に「要約機能教授群」「要約機能+予測機能教授群」「要約機能+予測機能+深化機能教授群」の学習効果を比較する実験を行ったところ、ルール解釈課題および誤前提課題において「深化機能教授群」の成績の優位性が確認され、仮説は支持された。さらにこれらの成果から、ルール学習に関する知識構成の3水準モデルを構築することができた。当該モデルは、ルールの内容的側面のみならず機能的側面の重要性を強調する点で、これまでのルール学習研究で得られた知見とは一線を画すものであるだけでなく、ルール学習研究に構成主義的視点を持ち込むという意味で独創的なものである。

  5. 科学的ルールの学習を促す教師の発問と教材特性の解明:知識表現の抽象度に着目して

    佐藤 誠子

    2019年4月 ~ 2023年3月

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    科学的概念の学習において,明示的にルールが教えられても課題解決に適用できないという問題は多くの教育心理学的研究により指摘されている。本研究ではその背景として,教えたい科学的ルールと提示される具体的現象・事例の抽象度の違いがもたらす教材上の問題,および教師と学習者のルールに対する認識の問題を想定する。本研究の主たる目的は,これらの問題を克服しルールの学習を成立させるための教授学習条件を明らかにすることである。 令和1年度は,学習者のルールに対する認識を明らかにすべく,ルールの学習場面における学習者の思考過程,すなわち学習者がルールをどのように理解し適用しようとするのか,またルールの適用過程においていかなる質問が生成されるかを具体的に検討した。大学生8名を対象に種子植物ルールに関する授業を実施しその学習過程を分析した結果,学習者は教授されたルールと自身の具体的経験とを積極的に照らし合わせながら疑問を生成しており,そしてそれがルールの理解を深める契機となっていたこと,また,未知の事柄について予測をおこなう際,ルールだけで判断しようとせず,既知の事例との共通点から類推をおこなう傾向にあったことが明らかになった(佐藤,2020)。学習者は,教えられた抽象的ルールだけに依拠せず,自身の具体的経験にもとづいた思考を積極的におこなっていた。こうした学習者の思考特性を踏まえれば,ルールの一般化には,抽象的ルールの論理操作だけでなく,学習者の既有知識を利用した類推をうながす手立てが必要となることが示唆される。

  6. ルールと操作的知識の構造化が教科学習の促進に及ぼす効果と教材開発

    進藤 聡彦, 工藤 与志文, 佐藤 誠子

    2019年4月 ~ 2023年3月

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    以下の2つの実験、調査を行った。 ①従来、算数・数学で取り上げられる数値で表された量の感覚が不十分であるという指摘がなされてきた。その実態を大学生を対象に調査した。調査参加者に面積や体積の数値を示し、それに相当する具体物を選択肢で求める課題を課した。その際、参照事例提示群と非提示群を設けた。すなわち、参照事例提示群では、調査参加者にとって選択肢とは別の大学生にとって既知の具体物とその面積や体積の数値を問題解決の参照事例として提示した。非提示群では参照事例は与えられなかった。その結果、非提示群の正答率は低く、大学生であっても量の感覚が不十分であることが明らかになった。また、参照事例提示群は非提示群に比して、正答率は高かった。この結果は、具体物とその面積や体積が既知の事例を量の判断に自発的には用いていないこと、そうした既知の事例を想起して問題解決に用いることができれば数値で表された量の把握が促進することを示唆する。そのような手続きもルール「p→q」の前件pに既知の事例を代入する代入操作であり、この種の代入操作に関する操作的知識の教授が量の把握に有効なことが明らかになった。 ②学習目標となるターゲットルール単独ではなく,関連するルール群から構成される「知識システム」の中にターゲットルールを位置づけて教授することが効果的であることが報告されている。そこで本研究では,生物学のルール学習において「知識システム」に基づく文章教材を構成し,それがルールの一般化を促すかどうかを検討した。しかし、期待された教授効果は確認されなかった。そこで、誘導法と呼ばれる介入的実験を行った。その結果から、ルールの一般化を阻む原因として、構造化された知識が問題解決に適用可能なものとして実験参加者に認知されない場合のあることが考えられた。

  7. 発達段階をトレースできる到達度評価のためのIRT垂直尺度構成の試み

    柴山 直, 佐藤 喜一, 川端 一光, 佐藤 誠子, 足立 幸子, 斉田 智里, 野口 裕之, 熊谷 龍一, 藤本 亮

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:Tohoku University

    2016年4月 ~ 2020年3月

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    的確な学習指導のためには,学習者の理解度や習熟度,そこに至る個々人の学習プロセスや発達段階の把握は必須の条件である。本研究では,対象集団に小学校4年生から中学校2年生の5学年,対象科目に算数/数学,国語を取り上げ,コホート的な調査デザインのもと,学力の発達をトレースできる到達度尺度の構成を,項目反応理論(IRT)モデルにもとづく垂直尺度化により実現した。構成された尺度を使うことにより小学校4年生から中学校2年生までの学力発達を追跡することが可能となった。

  8. 知識の構造化を促す教授ストラテジーと教材開発に関する教育心理学研究

    進藤 聡彦, 工藤 与志文, 西林 克彦, 西林 克彦, 佐藤 誠子

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

    2016年4月 ~ 2019年3月

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    本研究課題は知識の構造化を促す教授ストラテジーに関するものであった。主な研究成果として、第1に教授目標となる標的ルールの適用は対比ルールとともに教授することによって促進することを生物学のルールを取り上げて明らかにした。また、第2に物理学のルールについて、ルールを広い範囲の事例に適用できるためには、その名前の熟知度(既知か未知か)に拘わらず、事例が等しくルールに支配されていること(ルールと事例の論理構造)を学習者が把握しているかどうかが重要であることを示した。第3に小学校の割合の変数間の関係や立体とその展開図の関係を知識の構造化の観点から捉え、それぞれの学習促進ストラテジーを探った。

  9. 一斉授業における大学生の能動的学習を促す教授法の開発とその実践研究

    佐藤 誠子

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

    研究種目:Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

    研究機関:Ishinomaki Senshu University

    2016年4月 ~ 2019年3月

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    本研究は,講義型授業における大学生の能動的学習を促進する教授学習条件について,学習者の認知的側面から検討したものである。大学生を対象とした教授実験および実際の授業過程の分析から,授業で学んだ知識をもとに新たな予測を生成したり既有知識と関連づけたりする認知的活動は自発的には生じにくいこと,ただし教授者側で適切な課題設定をおこない関連づけを促進する手立てがなされれば,そのような認知的能動性が高まることが示唆された。

  10. パフォーマンス評価におけるIRT尺度を利用した信頼性向上のための基礎研究

    柴山 直, 清水 禎文, 佐藤 誠子

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

    研究機関:Tohoku University

    2013年4月 ~ 2016年3月

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    高度で複雑な学力を評価するための手法としてのパフォーマンス評価は,評価者の主観に左右されるという本質的な問題を抱えている。逆に心理計量・教育測定の分野で発展してきた項目反応理論は学力を単一のパラメーターないし尺度値で表現するため信頼性・客観性の担保に優れている反面,多様性にあふれた現実の学力を捨象しすぎるという限界がある。 本研究ではこの2つの相反する利点と欠点をもったアプローチを,言語学で発展してきたCan-Do-Statementsを媒介することによって結びつけ,パフォーマンス評価の信頼性・客観性および指導への有用性の向上をはかった。

  11. 具体物を用いた教授の妨害的作用とその克服に関する教育心理学的研究

    佐藤 誠子

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

    研究種目:Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

    2013年4月 ~ 2016年3月

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    本研究では,具体物による教授がもたらす妨害的作用(課題解決における知識適用の阻害効果)とその抑制条件について,学習過程における学習者の知識形成の側面から検討した。授業過程および学習者の思考過程の分析から,妨害的作用は,学習者の理解が具体物の動作等の現象的理解にとどまる場合に生じること,また,その抑制条件として,学習者自身がそれを抽象化し具体物操作と関連づけることが重要になることが示唆された。

  12. 異なる方法によって得られた評価結果の対応づけに関する基礎研究

    柴山 直, 新田 克己, 野口 裕之, 石井 秀宗, 熊谷 龍一, 藤本 亮, 藤田 政博, 佐藤 喜一, 佐藤 誠子, 前田 忠彦, 中畝 菜穗子, 五島 譲司

    提供機関:Japan Society for the Promotion of Science

    制度名:Grants-in-Aid for Scientific Research

    研究種目:Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

    研究機関:Tohoku University

    2009年 ~ 2012年

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    この研究の目的は教育場面におけるさまざまな状況の中で、異なる方法によって得られた評価結果を互いに対応づけるいくつかの方法を開発することにある。具体的には、異なる年度に実施された学力調査のリンキング、異なる主催団体によって実施された学力調査のリンキング、法学教育における評価分析への適用、開発方法の評価のためのシミュレーション研究、学士課程教育への適用、小論文の自動採点の試みなどの場面をとりあげ、それぞれにふさわしい諸手法を開発した。

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