私の父方・母方の家族はいずれも満州族ですが、身分証明書上の民族欄には「漢族」と記されています。祖籍は遼寧省海城市(皇姑屯事件の主役である張作霖の出身地)および新賓満族自治県(清の太祖ヌルハチが挙兵した地)にあり、出生地(籍貫)は吉林省長春市(かつての満州国の首都「新京」)です。東北出身ではありますが、幼少期から15年間は、長春市から約3200キロ離れた中国南部の広東省珠海市(「辛亥革命の父」孫文の出身地である旧香山県)で育ちました。高校生時代の2008年、「中日友好交流年広東省優秀青少年赴日交流訪問団」の一員として初めて日本(大阪・京都・神戸)を訪問し、心の中に将来の日本留学の種を埋めました。その後、首都・北京での生活に憧れ、大学時代の4年間をそこで過ごすなかで、「満族心」という非公認の民族ボランティア組織(リーダーたちの海外移住に伴い、2014年頃に自主解散)でも活動しました。やがて幸いなご縁に恵まれ、長春市と友好都市関係にある仙台に移り住み、今年で12年目になります。
このように、満州族と漢族、東北と南部、そして中国と日本という複数の文化的背景と社会的文脈の狭間で生活・活動してきた経験から、私は「自分とは何者か」というアイデンティティの問いに深い関心を抱くようになりました。この関心は、排他性やナショナリズムといったテーマへの問題意識と結びつき、やがて極右政治への研究関心へとつながっていきました。
私は、あらゆる政党類型に幅広く関心を持ちつつ、これまで主に先進民主主義国における急進右翼政党の研究に取り組んできました。現在は、ポスト共産主義地域における左翼権威主義の現象にも着目し、新たな研究を進めているところです。なお、日常的には趣味として、清朝や八旗制度、満州族の歴史にも関心を寄せています。